生活の中で大きな時間を占める仕事。どうせ長い時間を使うなら、好きな仕事ややりがいのある仕事に就きたいですよね。けれど自分の好きなことや強みがわからない人も多いのも事実。仕事で悩んでいたり前向きな気持ちになれなかったりしているのなら、同じ星座の先輩部員さんが「どんな思いを持ち」「どんな仕事をしているのか」参考にしてみるのもいいかもしれません。
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今回はさそり座部員さん。映像翻訳者をされている直子さんに、お仕事の話を聞いてきたよ!
今回ご紹介するのは……
・10月生まれのさそり座部員、直子さん
・映像翻訳(字幕・吹替など)歴15年ほど
・趣味はマラソンで、お子さんがお1人、電子書籍も出版
おはようございます!さそり座部員、映像翻訳歴15年の直子です。どんなことを話たらいいんだろ、どきどき。どうぞよろしくお願いします。
直子さん、よろしくお願いします!では、さっそくお話を……
現在のお仕事について教えてください
海外のテレビ番組とか映画、配信系のドラマや番組の字幕を作ったり、日本語の吹き替え台本を作ったりする仕事です。
ざくろ部長:え!字幕!すごいですね!難しそう……。あれって、直訳している訳ではないんですよね?映画観てて、たまにだけど字幕が読みにくくて内容が全然入ってこない時があるんですけど。同業者から見て上手い字幕ってどんなものですか?
さそり座部員の直子さん:そうですね、言葉に無駄がないですね。読んでいて全然引っかからないの。ざくろ部長が言ってるように、変な字幕だと内容よりも字幕に気を取られてしまうんだけど。字幕の存在を忘れて、観ている人が英語を理解した気になるように内容が頭に入ってくる。音声と合わせても違和感ないし、わかりやすい言葉でスッと入ってくるのが本当にいい字幕ですね。
ざくろ部長:原語が難しい言葉でも、それを簡単な日本語までニュアンスを変えずに落とし込む感じですか?
さそり座部員の直子さん:それが理想ですね。だけど翻訳者の存在を主張しちゃいけなくて、いかに存在を消すかが大事なんです。いわゆる黒子のような存在といいますか。
ざくろ部長:なるほど!黒子!
吹き替え台本は字幕と違って声優さんが読むので。声優さんが読みやすい台本というか、言葉のリズムが良くてキャラクターを活かせることを意識してますね。感情が乗るような。
ざくろ部長:意識することが変わってくるんですね!字幕と吹き替え台本だと、書き言葉と話し言葉で違いそうですよね?
さそり座部員の直子さん:そうですね、字幕を作るときと吹き替えの台本をつくるときとでは、使っている脳が違う気がします。字幕は限られた文字数の中で登場人物の性格や人間関係を表さないといけないので難しいですね。吹き替えは喋っている時間と同じ長さで日本語に翻訳するので、字幕より少し自由な気がします。
ざくろ部長:字幕と吹き替えでは、文字数制限と話している時間の長さの違いがあるんですね!面白いですね!
なぜ、映像翻訳のお仕事に就こうと思ったのですか?
それはやっぱり、昔から洋画とか海外ドラマがすごい好きで、同じ作品をビデオテープが擦り切れるまで何回も観ていましたね。両親が観ていたのでその影響もあるかもしれません。
ざくろ部長:ビデオテープが擦り切れるまで何回も!すごい!字幕というのを職業で意識したのはいつ頃なんですか?
さそり座部員の直子さん:だいぶ遅いですよ。映像翻訳っていう職業を知ったのは30過ぎてからなので。英語が好きだったから英語を使った仕事をしたいと思って旅行会社に入ったり日本語教師になったり、あと出版翻訳を目指して講座に通ったりとかしていたんですが、何か違うなと思っていて。けれど翻訳会社に勤めているとき、映像翻訳者に出会ったんです!彼女は校正をしにきていて。映像翻訳についての話を聞いていたら「すごい面白そう!」と思って私も同じ映像翻訳の学校に入りました!
ざくろ部長:運命の出会い!その人がバイトしにきていなかったら、学校に通ってなかったかもしれないわけですよね!学校に通い始めてから実際に仕事になるまで、どのくらいの期間かかりましたか?
さそり座部員の直子さん:昼間は仕事して夜は学校に通うという生活を1年半くらいしました。卒業したあとは、その学校の系列に映像翻訳の会社があるんですけれど、その会社からお仕事をもらうにはトライアルという試験のようなものに受からないといけないんですね。けれどそれが本当に受からなくて。6回くらい落ちたけど最終的には合格して、そこからお仕事ができるようになりましたね。
粘り強いところは、まさにさそり座って感じがしますね!もう「映像翻訳者に絶対になる!」って心に決めていたんですか?
そうですね。映像翻訳者になれないとは考えていなかったです。けれど器用ではないので時間はかかるだろうなとは思っていましたが、「絶対になるぞ!」と気合いは入ってました。
ざくろ部長:すごいエネルギーですね!そして、はれてトライアルに合格しましたが、合格してしまえば仕事はくるのですか?
さそり座部員の直子さん:駆け出しの頃はあまりなかったですね。月の収入が3,000円くらいというところからスタートしてます。全然食べていけるというレベルではない感じで。
ざくろ部長:3,000円!そこからどのくらいの期間かけて、映像翻訳だけで生活できるようになったんですか?
さそり座部員の直子さん:私はすごい時間かかってますね。多分、3〜4年くらい。はやい人は2年くらいで……。大変だけど面白かったんですよね。だから、なんだかんだ言ってもこの15年間辞めようと思ったことは一度もないんです。
お仕事のどんなところが好きですか?
さそり座部員の直子さん:自分の知らない世界を知ることができるところですね。映画とかドラマとか好きだけど、自分の好みって偏っているじゃないですか。だけど仕事だとどんな依頼がくるかわからなくて、苦手なホラーとか珍しい職業の話とか普段選ばないものがくるので、自分の知らない世界を覗き見られるところが楽しい。脳内トリップではないですけど、いろんな国に行けたり、さまざまな職業を見られたりするのが面白いし、自分にはないものに触れられる。毎回違う作品がくるので飽きないし。
ざくろ部長:なるほど。けれどホラーなどの苦手な作品の依頼がきたときは、どうするんですか?
さそり座部員の直子さん:そうですね、仕事の依頼は断らないので引き受けます。やってみたら意外と面白いかもしれないじゃないですか!苦手なジャンルでも、それが仕事だと思うと不思議とできるんですよね。作品に入り込んでいくと、いろんな意味で面白くなってくるというか。携わった作品はどれも愛着が湧きます。手がけた作品に影響されてることも多いですね。
携わった作品はどれも愛着が湧くって、これはもうギフトですね!才能だと思います!
さそり座部員の直子さん:あと面白いと思うのは、英語だけ見るとなにを言っているのかわからないんだけど、映像をずっと観ていると不思議とわかるときがあるんです。表情とか小さな仕草で感情が伝わってくるのかもしれないんですけど。
ざくろ部長:言葉の違いを超えた人間のベーシックな感覚があるんですかね。
さそり座部員の直子さん:そうかもしれません。言葉が違っても人間の感情って、怒ったり泣いたりそんなに変わらないじゃないですか。それが言葉じゃないなにかで伝わってくるんです。それを言語化するのも面白いですね!
ざくろ部長:そうなんですね。元のセリフの直訳とは離れるけど、意訳のようになるときもあるってことですか?
それはもうしょっちゅうですね。国や文化によって表現が違うので、単なる言葉同しの置き換えではなく、感情を表現するための言葉に置き換えています。オリジナルとは全然違う言葉になるときもあるけど、より感情が伝わるような表現に。「翻訳」っていうと英語から日本語に置き換えるイメージですが、言葉はあくまでも表面的なものであって、その奥にあるものを伝える。それがとっても面白いです!
お仕事のどんなところが嫌いですか?
さそり座部員の直子さん:予定が立たないところですね。仕事がないと思って自分の予定を入れたのに急に仕事が入ってきて、自分の予定をこなしながら仕事をする時とか。あとはフリーランスなので相談する人があまりいないところですかね。あとは病気をしたときに休めないこと。
ざくろ部長:確かにフリーランスで、1人で集中して行う仕事ってなかなか同業者とのつながりができないですよね。自分の代わりもいないから、病気でも無理しちゃうし。直子さんは仕事の内容で嫌いなところはなさそうですね!
さそり座部員の直子さん:そうですね。翻訳の仕事は細かい作業が多いから面倒くさくなるときはありますけど嫌いなところはないですね。逆に納期が短くて、納得できてないのに提出しないといけないときは嫌ですね。「ほんとはもっとできるのに」と思うと苦痛です。普段でも直そうと思えばいくらでも直せるし、こだわろうと思えばいくらでもこだわれるのに。
ざくろ部長:すごい!!!
仕事をしていて「さそり座だなぁ」と思う瞬間は?
さそり座部員の直子さん:そうですね。わからないことがあると、納得がいくまでとことん調べますね。そして理解して自分に落とし込んでから取り組みます。物事を突き詰めていく感じは「さそり座だなぁ」と思いますね。あとは、自分のペースでコツコツと1人で仕事を進めていけるところですね。職人さんに憧れています。
ざくろ部長:自分が納得のいくものを創り上げたいという感じですかね。さそり座っぽいですね!
さそり座部員の直子さん:あとキャラクターの感情を表す言葉を探し続けるところですね。入り込んでいくとイタコのような気分になるときがあります。「(キャラクターに対し)何がいいたいの?」みたいな感じで。そのキャラクターで言うにはどうしたらいいんだろうって。
ざくろ部長:なるほど、とことん向き合っていくんですね。
映像翻訳はどんな人に向いてる?
さそり座部員の直子さん:孤独を楽しめる人が向いていると思います。あと細かい作業も多いので忍耐強さも必要ですね。1文字1文字、1行1行コツコツと何百、何千もの文字と向き合うので根気強くないとできないですね。根気強さ、掘り下げる力、執着心、これがすべてって感じですね。
映像翻訳者を目指してる人にメッセージ
さそり座部員の直子さん:えー、そうですね。諦めないでください。粘り強く続けていってください。なかなか上手くならなくても、トライアルを受けて落ち続けても続けていれば報われます。
ざくろ部長:けど、いちばんそれが難しいのかもしれないですよね。
そうですね、結果が見えないところで続けるって難しいですからね。けれど気にしないで続けてください!道中になにがあってもそれが経験となって後々に活かされ実を結びますから、楽しみながら目指していってください。映画とかドラマとか好きで始めた人が多いと思うので、その気持ちを大切に!続けていれば好きな作品に携われるときがきますから。
さそり座部員の直子さん、ありがとうございます!直子さんのお話を聞いていると、さそり座の特性にマッチした職業に就いていると思いました。まさに天職ですね!
自分の特徴を知ることも、仕事を好きになるためのひとつの要素なのかもしれません。直子さんは本も出版されているので、ぜひ参考にしてみてください♪